今日は中1のM君のお話です。
気孔は葉の裏側に多い???
昨日、M君が植物の蒸散の学習をしていました。
植物が根から吸い上げた水分を身体に巡らせて、主に葉の裏側にある気孔という穴から水蒸気にして発散することを蒸散といいます。
試験官に条件が違う4本の植物を用意して、蒸散量を求める問題でした。
A)葉の表側にワセリン(油)を塗ったもの…裏と茎から蒸散
B)葉の裏側にワセリンを塗ったもの…表と茎から蒸散
C)なにも塗らないもの…表、裏、茎から蒸散
D)葉の裏表両方にワセリンを塗ったもの…茎から蒸散
A、B、Dの蒸散量がわかっていて、Cの蒸散量を計算で求めなさい。
わからない~と言った場合は、水色部分のようなヒントをあげます。
でもM君の質問は想定外でした!
ハスとか水に浮いてる植物の気孔は表側に多いの?
Cの蒸散量は自分で求めたM君でしたが、
M「先生、ハスとかさぁ、裏側が水に浸かっている植物は表側で蒸散するの?だって、裏側からはできないしょ?」
私「確かに!そうかも!」
今までそういう質問をされたことがなかったので、考えたことがありませんでした。
オオカナダモのように水に浸かりっぱなしの植物に光合成させると葉に気泡がつく問題はよくありますが、、、ハスのような植物の問題は見たことがありません。
調べてみたらM君の言う通りでした。
ワセリンの役目は?
問題文には当然知っているでしょ?とばかりに「ワセリンを塗ってあります。」って書いてあるのですが、ワセリンって何?って思う子はいないのでしょうか?
M君の場合は、「(マスクで蒸れて)口の周りが荒れるんだけどどうしたらいいの?」ときかれたことがあったので、無添加無着色の白色ワセリンをおススメしたことがありました。だから、M君はワセリンと書いてあるのを読んで「あぁ、水分の蒸発を防ぐリップクリームみたいなものだな」とすぐにわかりました。
「だからワセリンを塗った側からは水蒸気が出ていかないということか~」と気がつくわけです。
問題にはワセリンがどういうもので、どんな目的で塗られているかは書かれていません。もう知っっていることが前提なのです。
小さな疑問や体験が机上の学習の前にある
植物と言っても、陸上に生えているものばかりではないので、「こんな環境の植物だったらどうだろう?」と思うところにM君のすごさがあるなぁと思います。
また、ベタベタしたワセリンを実際に知っているから、この実験は何を調べているのか感じ取ることができたのです。
どんなものか知らなくてもただ暗記してしまえば、学校のテストでは何とかなるでしょう。でも、学習そのものが実際に生活の中で活かされていくには、小さな疑問や体験が先にある子は強いと思います。
子どもたちよ、知らないことは恥ずかしくない。「???」と思った時こそチャンスです。
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