自分がおもしろかったことを伝える
写真の男の子は、ガビットで最も笑顔がステキな子の一人です。(目をお見せできなくて残念!)
歴史の学習をするのに、教科書を読むだけではおもしろくないから、
自分で好きな人物を一人選んで、ざっくり調べてきてねー!という課題を出しました。
「どの時代のだれでもいいよー」というゆるゆるな課題です。
T君は、平安時代の崇徳天皇についてみんなに教えてくれました。
T君:崇徳天皇は白河上皇と藤原璋子(ふじわらのたまこ)の間にできた子だと噂されていたから、鳥羽天皇から嫌われていたんだよ。
みんな:やっばー!じいちゃんと母さんに子?
T君:そういう噂。だから、自分の息子の重仁を次の天皇にしたかったけど、鳥羽天皇が次男の近衛を次の天皇にしたんだよ。
みんな:なんで鳥羽上皇がそんなことしたの?ひどくない?
T君:近衛天皇はすぐに死んで、後白河天皇になったんだけど後継ぎ問題で争いになって、崇徳天皇は上皇暗殺の濡れ衣を着せられて、讃岐に流罪にされたんだよ。
と、こんな具合に、少し説明してはみんなが質問する、キャッチボール形式の学習。
1156年の保元の乱のこと、1159年平治の乱こと、
それからだんだん平氏の時代になっていくこと、
「瀬をはやみ~」という国語便覧に載っている短歌のこと、
崇(すう)という字がつく天皇も、徳(とく)という字がつく天皇も、悲惨な死を遂げていること、
鎮魂のために白峯神社に祀られていること、などなど。
呪いのお話も出てきて、教科書にはない裏話がものすごくおもしろい上に、幅広い!
T君の話を聞くまでは、なにも興味がなかったことなのに、もっと知りたいという気持ちになりました。
主体的に知りたい!おもしろい!という遊び感覚が学びを深めます。
歴史学習の定番は
学習塾での歴史学習と言えば、テキストのダイジェスト部分を読んでから問題を解いていくか、
先生が解説授業をして、あとは家でテキストの問題を解いておいてね、っていうのが定番です。
そういった学習は受け身なので、印象に残りません。
暗記が得意な子や、少しでも歴史に興味がある子なら良いけど、ほとんどの子にとっては楽しくありません。
楽しくないけど、テストに出るから頑張って覚えなければ…と子どもたちはやるのです。
そもそも歴史を学ぶ意味とは?
子どもたちが小中高と長い時間をかけて歴史を学ぶことに、どんな意味があるのでしょう?
私は、どんなに技術革新が進んで、世の中が便利になり、生活が豊かになっても、人間の本質は変わらないからだと思うのです。
人間の本質が変わらないということは、同じことを繰り返すということです。
同じことを繰り返すということは、歴史を学べばある程度、未来を予想できるということです。
戦前の日本と、戦後から今日までの日本とでは、国民的一体感というか思想というものがものすごく変わったと思います。
そのことは、歴史を学ばなければ感じることはありません。
技術的に拙かった島国の日本が、なぜ日露戦争に勝利できたのか?
その時代の国民の思想を知れば、今のウクライナ情勢や今後のロシアについて予想できます。
歴史を学ぶということは、今をより良く生きるために必要だと考えます。
だから、子どもたちにも、テストのために学ぶのではなく、学ぶ目的も一緒に教えるべきだと思います。
楽しく、おもしろくね。
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